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Let's try IoT プロトタイピング ~ 定点カメラデバイスを作ろう 〜 QAのご紹介

皆様こんにちは、ソラコムnaoです。

先日、今年最後のオンライン講座 Let’s try IoT プロトタイピング ~ 定点カメラデバイスを作ろう 〜を開催しました。今回は、当日参加者の方からいただいた多数のご質問にご回答致します。

f:id:soranaocom:20191213124623p:plain今回の講座は、特にリクエストが多かったRaspberry Pi と SORACOM を使いIoT 定点カメラを構築する方法についてご紹介しました。お家のペットや家族の見守り、また工場内や店舗の監視等ビジネスシーンで活用しそうなこちらの仕組み、是非冬休みの電子工作として試してみませんか?

Raspberry Pi はArmプロセッサ搭載のシングルボードコンピュータで、プロトタイピングに最適なIoTデバイスです。すでにRaspberry Pi を実際のビジネスでも利用するケースも増えてきてます。1年前の資料ですが、ここではビジネスで使われるRaspbery Piのユースケースをご紹介していますので、是非ご覧下さい。

アジェンダ
  • Raspberry Pi のセットアップ方法
  • USBカメラを使った画像の取得方法
  • Raspberry Pi と ドングルを使った SORACOM Air のセットアップ方法
  • SORACOM Harvest Files, SORACOM Lagoon を使い画像データを可視化する
  • 撮影トリガーのアイディアをご紹介
必要機材
  • PC(最新のGoogle Chromeが利用可能なこと)
  • Raspberry Pi 3 model B+ x 1 ※
  • microUSB ケーブル x 1 ※
  • Raspberry Pi 3 用電源アダプタ x 1 (PCからの給電でも可能な場合があります) ※
  • microSD (16GB以上) x 1 ※
  • microSD と PC を接続するアダプタ等 x 1
  • 有線 LAN (USB 型のアダプタ等形状問わず) x 1
  • LAN ケーブル x 1 USB カメラ x 1 ※
  • SORACOM 特定地域向け IoT SIM (標準サイズ) x 1
  • AK-020 (USB ドングル型モデム) x 1 ※

※ソラコムが提供するIoT 体験キット 〜簡易監視カメラ〜に含まれます。

当日のテキスト

Let’s try IoT プロトタイピング! オンライン講座 〜定点カメラデバイスを作ろう〜 | iot-showcase

皆様からいただいた質問とその回答

Q. ソラコムが販売しているUSBカメラと違うカメラを持ってますが、同じような仕組みで作ることができますか?

A. お手元のカメラが利用可能であるかは、v4l2-ctl というコマンドの結果でご判断いただくことになります。今回は BUFFALO … USB Camera という結果が表示されています。これと同様に、例えばメーカー名や型番が表示されれば利用可能です。その後、お持ちのカメラ実際に fswebcam コマンドからの画像取得をお試しください。


Q. USB ドングル(AK-020)を PC でも使いたいのですが、うまく接続できません。どうしたらいいですか?

A. AK-020 はエイビット社の製品となります。AK-020のホームページにはドキュメントやドライバのダウンロードだけでなくFAQも掲載されておりますので、まずはそちらをご覧いただければと思います。それでも問題が解決されない場合には、ご利用の環境(OS、利用しようとしているSIMのプランやIMSIと呼ばれる15桁の番号)をお書き添え、SORACOM ユーザコンソールからサポートへお問合せください。


Q. 今回作った定点カメラの仕組みは、モバイルバッテリーなどで動作しますか?

A. 今回利用した Raspberry Pi 3 model B+ を動作させるためには 5V/3.0A という電力が必要となります。こちらの条件に合致するモバイルバッテリーであれば仕様上動作可能ですが、必ずお試しください。


Q. SORACOM Airの設定で curl -O https://soracom-files.s3.amazonaws.com/setup_air.sh がありますが、この内容は具体的には何を設定していますか?

A. setup_air.sh は USB ドングル型モデム(以下、モデム)を OS (Linux) 上で使えるようにするための一連の設定を自動実行するスクリプトです。主に “モデムを OS で認識できるようにする (udev)” 、 “モデムで通信するのに必要なソフトウェアのインストールと設定” 、”SORACOMへ接続する APN 設定” を行っています。このスクリプトでなければ動かないというわけではありませんが、設定の手間を省くスクリプトとしてお使いいただければと思います。


Q. 古いスマホのカメラを定点カメラとして使うことは可能ですか?

A. 今回ご紹介させていただいたのは USB カメラと Raspberry Pi との組み合わせによるカメラデバイス製作となっています。もし、スマートフォンを Raspberry Pi に取り付け定点カメラを構築されたい場合は、スマートフォンがUVC(USB Video Class) としてLinuxから認識されるかをご確認ください。認識可能な場合、USBカメラとしてスマートフォンを利用することが可能になります。 確認方法は v4l2-ctl コマンドを利用ください。一方、スマートフォン単体で定点カメラ化したい場合は、スマートフォンの利用方法をお調べいただければと思います。


Q. IoT体験キット(簡易監視カメラ)のうち、SIMカードとRaspberry Pi以外のものを購入したいですが、可能でしょうか。

A. IoT 体験キット(簡易監視カメラ) の商品ページ には、キット内の内容をリストしています。Raspberry Pi や SORACOM IoT SIM をお持ちであれば、残りの必要なものをリストと見比べて、Amazon.co.jp やスイッチサイエンスでお求めいただくことになります。Web カメラは BUFFALO の BSWHD06MBK、温度センサーは DS18B20+ という型番のものになりますので、そちらを参考にお求めください。


Q. SORACOM Lagoon で作ったダッシュボードを他の人に公開することはできますか?

A. SORACOM Lagoon のプランには Free 以外に Maker や Pro というプランがあります。こちらの上位プランであれば例えば読み取り専用ユーザを作って他の方と共有することが可能です。Maker や Pro で可能になる事や料金については SORACOM Lagoon のご利用料金でご確認ください。


Q. カメラ側の保存間隔(10分)を変える場合は、どうしたらよいでしょうか。

A. 保存間隔(撮影間隔)の制御は今回は systemd というミドルウェアが持っているタイマー機能を利用しました。設定自体は timer_shooting.timer になります。このファイルの OnUnitActiveSec = 10m となっている部分を希望する間隔に変更します。(例: 5m で 5分毎) また、当該ファイルを変更した際には systemctl –user daemon-reload としてファイル変更を systemd に伝える必要があるのでご注意ください。


Q. 今回のRaspberry Pi内の構成図は公開されますか?

A. 今回利用したテキストの一番最後に、Day2で紹介した「プログラムの構成と関係図」を追加で掲載いたしました。ご覧ください。


Q. SORACOM Harvest に保存する画像数、画素数の上限はありますか?

A. 一回のアップロード操作で送信できるには1ファイルです※。SORACOM Harvest Files 内に保管できる画像数(=ファイル数)の上限は設けていません。また、画素数(ファイルサイズ)は1ファイル当たり5GBを上限としています。その他の制約についてはSORACOM Harvest: 制限と注意事項をご覧ください。

※ Multipart 送信(一回のアップロード操作で複数のファイルの送信)は未サポートです。 (2019年12月現在)


Q. コマンド「systemctl –user enable $PWD/camera_shooting@.service」と「systemctl –user enable $PWD/timer_shooting.service」の入力が無かったのですが、資料では入力する手順となっています。この2つのコマンドは、不要なのでしょうか?

A. 資料側の操作が正しいものとなります。この操作自体は systemctl –user enable の引数にインストールしたい systemd ユニットファイル(インストール時には絶対パスを要求されるため $PWD/ を加えています)を symlink にて /etc/systemd/system/ や $HOME/.config/systemd/ へ配置するようにしてくれます(配置先が無くとも自動的に作ってくれます)


Q. 今回の仕組み場合、全部で通信料やサービス利用料は月にいくらくらいになりますか?

A. 約621円/月となります。以下が内訳となります。ご利用の環境によっては下記以外の通信が発生する必要がありますので実際の利用金額上限を保証するものではありません。

今回利用した SORACOM 特定地域向け IoT SIM の plan-D 基本料は10円/日です。 SORACOM Air データ通信料は、データのアップロード(上りの通信)料金は0.2円/MB ~ 0.3円/MBです(速度クラスによって異なります)。今回のWebカメラで取得した画像はCIFサイズ(352×288)で、当方の環境では約80KB/枚(JPEGの圧縮状況によって大きく異なります)となりました。最速の速度クラス(s1.fast)でアップロードした場合、約0.02円/枚となります。10分に一回(144回/日)の撮影となると約3.3円/日となります。

また、アップロード時のサーバ応答が下りの通信として発生します。データのダウンロード(下りの通信)料金は0.6円/MB ~ 1.0円/MBです(速度クラスによって異なります)。当方の環境では SORACOM Harvest Files からのサーバレスポンスは1.8KB/回でした。最速の速度クラス(s1.fast)の場合、約0.0005円/回となり、0.072円/日となります。

結果、約3.37円/日となります。 よって SORACOM Air 料金(基本料、通信料)は約13.37円/日となり、約401円/月となります※1。

※1. plan-D の他に、画像や動画といった大容量ファイルの扱いに適した plan-DUというSIMもあります。10GB~/月のアップロードに対して、基本料や通信量込みのプランとなっているためわかりやすく、かつリーズナブルですので、こちらもご検討ください。

SORACOM Harvest FilesはSIMに依存せず、全体においてアップロード/ダウンロードしたファイルの転送量に応じて課金課金されます※2。アップロードは200円で1GB/月まで、ダウンロードは20円で1GB/月分まで転送可能です。たとえば80KBのファイルを10分に一度の転送であれば約350MB/月となります。その時の料金はデバイスからのアップロードで200円/月、画像ファイルを見るため(これはSORACOM ユーザコンソールでのダウンロードだけでなく、SORACOM Lagoon のSORACOM Dynamic Image Panel 連携した際の読み込みも含まれます)のダウンロードで20円/月と、計220円/月となります。SORACOM Lagoonは無料でお使いいただくことができる “Free プラン” があります。

※2. アップロード済みファイルの保管料自体は無料です。アップロード済みファイルは保管期間が2年となっています。

ソラコム nao